お栄の生涯

葛飾北斎の三女、後妻の子です。北斎には息子が2人、娘が3人いたそうですが、絵の才能は娘3人に受け継がれたようです。

その中でも三女のお栄は、北斎本人が「美人画にかけては応為には敵わない」といっていた才能の持ち主。

絵師・南沢等明のもとに嫁ぎますが、下手だと笑ったため離縁されます。思っても言っちゃダメってやつですね。

その後独身を通し、父・北斎と暮らします。北斎の助手も務めていたといわれています。下の「唐獅子図」は真ん中の獅子が北斎、周りの花がお栄の合作。綺麗、迫力のある獅子が極立ちますね。

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出典http://sunshine25.blog.so-net.ne.jp

 

二人とも片づけられない性格で、ゴミ屋敷になると引越しを繰り返していたそうです。北斎の生涯引越し回数は90回以上とか。もう完全に片づけなんか一生しないと誓ってますね。お栄もそんなところ似なくてもいいのに。

 

応為の性格は、父の北斎に似る面が多く、やや慎みに欠いたという。男のような気質で任侠風を好み、また衣食の貧しさを苦にすることはなかった。絵の他にも、占いに凝ってみたり、茯苓を飲んで女仙人になることに憧れてみたり、小さな豆人形を作り売りだして小金を儲けるなどしたという。

北斎の弟子、露木為一の証言では、応為は北斎に似ていたが、ただ煙草と酒を嗜んだという。ある日北斎の描いていた絵の上に煙草の吸殻を落としたことがあり、これを大変後悔して一旦禁煙したもの、しばらくてまた元に戻ってしまったという。(引用:wikipedia)

 

北斎没後、「長野で頼まれた絵がある」といって家を出たあと消息不明になります。

長野の小布施の岩松院に天井画「八方睨み鳳凰図」があります。北斎の下絵を元にお栄が彩色したという説もあるので、仕上げにいったのでは?ともいわれています。

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出典http://bakumatsu.org/blog

実際、応為の作品は10点余りと非常に少ないです。自分の名より父の名で出した方が売れると、北斎の名で描いた作品もあるようです。たくましくて好きです。

 

原作「百日紅(さるすべり)」

原作者の杉浦日向子さんは、漫画家、江戸風俗や浮世絵研究家として活躍していました。
残念ながら、2005年下咽頭癌のため46歳で死去。

今回の映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』の原恵一監督は、杉浦作品の大ファン。ふたつ返事で引き受けたそうです。

主題歌は椎名林檎さんの「最果てが見たい」。お栄と椎名林檎さん、イメージ合いますよね。

葛飾北斎の娘・お栄を知らなかったので色々調べてみましたが、ますます興味がわきました!