今から40年以上前に起きた事件です。
1974年2月18日、大阪の近鉄上本町駅構内のコインロッカーで爆弾事件が起きました。深夜だったため、幸い怪我人は出ませんでした。
近くに近鉄に対して五千万円(今で約1億円)の現金を要求する脅迫状が見つかりました。
3月13日、犯人は現金の受け取りの際、すぐに逮捕。
千葉という無職男(当時44歳)と千葉の弟(当時31歳)の金銭目的の犯行でした。
犯人逮捕で一件落着かと思われた事件でした。
ところが、その4日後3月17日、またしても爆弾事件が起きます。
第二の爆弾魔
3月17日、日曜日の近鉄デパートで爆発が起きました。爆発といっても音と白煙が上がる程度で怪我人は出ませんでした。
現場には脅迫状が発見されます。
金銭目的ではなく、近鉄コインロッカー爆弾事件の犯人・千葉兄弟の釈放を求めるものでした。
次の事を実行せよ
我々の要求に応じるならば我々は第二第三と
爆破及び放火計画を中止する
我々の要求とは千葉兄弟を訳放(ママ)せよ
要求に御応じないときは我々は近鉄百貨店
近鉄電車が攻激(ママ)目的となる我々は利益を
目的としない
甘く見るなウルトラ山田より
「ウルトラ山田」と名のる犯人からの脅迫状は、達筆な文字で書かれていました。
続いていずれも日曜日に爆弾事件が起きます。
4月7日、天王寺署上本町七丁目派出所で爆発。近鉄デパート上六支店から届けられたものでした。警官の1人が右手の指3本を失う重傷。他4人が軽傷。
4月14日、国鉄天王寺駅構内にある地下トイレで爆発。怪我人なし。
事件の前の3月10日、堺市のスーパーニチイで爆破未遂事件。現場で発見された爆弾から、近鉄百貨店爆破事件と同じ犯人と確定。
犯人・ウルトラ山田の正体
「ウルトラ山田」とは、1967年1月に大丸神戸店爆破事件の犯人が名のった名前でした。
この事件の犯人は特定されず、未解決事件となり時効を迎えました。
ウルトラ山田とは
- 大丸神戸店爆破事件の犯人か?
- 千葉兄弟の縁者か?
- 愉快犯か?
警察では電話でのやりとりで、犯人は声をつくってはいるもののしゃがれていて40歳前後の男性か。脅迫状の文字からも「中年男」と予想されていました。
ところがあるとき、爆破事件の現場の写真をみていた刑事が奇妙な見物人に気づきました。
現場に張り巡らせたロープに、すがりつくように見物している少年。
この少年はひとつの現場だけではなく、他二ヶ所の現場にも現れていました。
すぐにこの少年の身元が判明。堺市に住む爆弾マニアの中学2年(当時13歳)の少年でした。
何故中学生の少年が?
少年が語った動機は次のページです。
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お母さんが気の毒な事件ですね・・・。